超伝導科学技術研究会
Forum of Superconductivity Science and Technology
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会長挨拶




下 山  淳 一


青山学院大学 理工学部 物理・数理学科 教授


 超伝導科学技術研究会は、1987年、高温超伝導フィーバーの最中に発足し、以来、初代会長、齋藤進六先生、第2代会長、太刀川恭治先生のリードのもと、20年余の歩みを続けてきました。この間、数多くのイベント(シンポジウム: 36回、ワークショップ: 76回、日米ワークショップ:日本開催7回)や刊行物(FSSTニュース: 127号)を通じて、様々な角度から超伝導に関わる科学技術の発展を促進してきましたことは、皆様、ご存知の通りです。(回数、号数は2010年12月現在)

 さて、2008年4月より超伝導科学技術研究会は第2期の体制に移行し、私が会長の任を拝承することとなりました。この話をいただいた際には、正直、少し逡巡しましたが、これからの超伝導科学技術を創出・支援していく上でいつかは行わなければならない世代交代であること、そして概ね30年間にわたる新しいビジョンの構築とその実践の適切な時期にあることを考え、身に余る重職ですが思い切って受諾しました。

 現在、超伝導科学技術は新しいフェーズへの転換期を迎えていることは確かです。ようやく実用的な特性を備え、工業的規模での生産が始まった高温超伝導材料を中心に、超伝導産業の今後の発展を支えていくことを本会第2期活動の使命と捉えており、平均50歳に若返った幹事会(従来の企画調整委員会)では、活発な議論を始めております。また、団体会員の皆様からは新設した諮問委員として適切なアドバイスを賜り、本会活動に反映させていく予定です。

 ところで、30年前には、高温超伝導物質はありませんでした。同様に、今後30年間にどのような新しい高温超伝導体が生まれるか、楽しみでもあり一研究者としては少しでも貢献したいという欲もあります。新高温超伝導物質の出現は必ず超伝導研究全般を元気付け、夢の室温超伝導への期待を大きく膨らませます。このような基礎研究成果からのエネルギー、材料実用実績の積み重ねから生まれる自信と信頼、周辺技術と超伝導の新しい協力の発想などをうまく組み合わせて、本会活動をより効果的なものとしていく所存です。会員の皆様には、超伝導科学技術の発展のため引き続いてのご支援、ご協力をお願い申し上げます。